FXでチャート分析をするなら、必ずローソク足分析を身につけておきましょう。
ローソク足分析は日本で生まれたものですが、今や世界中のトレーダーが注目している分析方法です。
ローソク足の動きには、将来の価格変動を予想するためのシグナルがたくさん含まれているのです。
このページでは、基本的なローソク足の見方から、ローソク足を組み合わせた主要なシグナルまでわかりやすくお伝えしていきます。
まだFXを始めたばかりでローソク足のことはよくわからないという人も、じっくり読んで、ローソク足分析のイメージをつかんでおきましょう。
目次
FXローソク足の2種類を解説
ローソク足は、設定した時間内での値動きの過程を示してくれるものです。
ローソク足には、大きく分けて2種類あります。
- 陽線
- 陰線
将来の価格変動を予測するためのチャート分析には欠かせません。
『FXを始めたけど、チャート分析の仕方がわからない・・・。』
『主要なローソク足の組み合わせが知りたい!』
といったトレーダーさんにとって、トレードで使えるローソク足分析をわかりやすくまとめました。
ローソク足を使ったチャート分析を学んで、より精度の高いトレードを身につけましょう。
種類①:陽線
陽線は、価格の上昇を示すローソク足です。
陽線の各部位の名称は以下の通りです。

このローソク足の場合、以下のような値動きが考えられます。

始値、安値、終値、高値が合っていれば、ローソク足の中ではどのような値動きもあり得ます。
種類②:陰線
陰線は、価格の下落を示すローソク足です。
陰線の各部位の名称は以下の通りです。

このローソク足の場合、例えば以下のような値動きが考えられます。

陽線同様、始値、安値、終値、高値が合っていれば、ローソク足の中ではどのような値動きもあり得ます。
ローソク足のヒゲについて
ローソク足の実体から上下に伸びている線をヒゲと呼びます。
特に、上に伸びているヒゲを上ヒゲ、下に伸びているヒゲを下ヒゲと呼びます。
上ヒゲは一度は上昇したけど勢い続かず最終的に売られたことを示し、下ヒゲは一度は下落したけど勢い続かず最終的に買われたことを示しています。
ここではチャート分析の超基本となるローソク足の陰線、陽線の見方について図解しました。
チャート分析はローソク足の見方から始まると言っても過言ではないほど、ローソク足の見方は重要ですので、必ず覚えておきましょう。
陰線と陽線がわかったら、次はローソク足のカタチから見てとれる価格の
FXのローソク足は様々な形がある
ローソク足は、いつも同じカタチではありません。
値動きによって様々なカタチに変化して、トレーダーに価格変動のサインを伝えています。
ここでは、ローソク足の基本形5種類についてわかりやすくまとめました。
まずは基本形をおさえて、チャート分析をしてみましょう。
ローソク足の5種の基本形とは?
ローソク足のカタチを5種類に大きく分けて考えます。
その種類は、
- 大陽線
- 大陰線
- 小陽線
- 小陰線
- 十字線
と呼ばれます。
早速、順番に図を見ていきましょう。
※以下のローソク足は全て緑が陽線、赤が陰線となっています。
大陽線

大陽線は、実体が大きくヒゲが短い陽線です。
価格が大きく上昇したことを示し、相場状況が上に向かうと考えられます。
大陰線

大陰線は、実体が大きくh義画が短い陰線です。
価格が大きく下落したことを示し、相場状況が下に向かうと考えられます。
小陽線

実体の小さな陽線です。
値動きが小さく、相場の方向性に迷いがあり、方向がはっきりしないときによく現れます。
小陰線

実体の小さな陰線です。
小陽線同様、値動きが小さく相場の方向性に迷いがあり、方向がはっきりしないときによく現れます。
十字線

始値と終値が同値となり、実体がつぶれて十字にみえるローソク足です。
同時線ともいいます。
買いと売りの力が拮抗し、方向感を失ったときによく現れ、トレンド転換をする局面となることもあります。
以上のローソク足基本形5種類が、まずは覚えるべきローソク足のカタチです。
5種類のローソク足にはそれぞれ応用系があり、そのカタチが相場の行方を知らせるシグナルとなります。
続いて、ローソク足のカタチが表す5種のシグナルを見ていきましょう。
ローソク足の形が表す5種のシグナル
陽の坊主

大陽線の応用系で、上ヒゲがないのが特徴です。
陽の丸坊主と呼ばれる、下ヒゲがないカタチもあります。
このローソク足は、その足の引けまで買われ続けたときにできるカタチなので、上昇の勢いがかなり強いシグナルとなります。
陰の坊主

大陰線の応用系で、下ヒゲがないのが特徴です。
陰の丸坊主と呼ばれる、上ヒゲがないカタチもあります。
このローソク足は、その足の引けまで売られ続けたときにできるカタチなので、下落の勢いがかなり強いシグナルとなります。
陽のカラカサ

小陽線の応用系であり、下ヒゲが長く、上ヒゲがない、実体の小さな陽線です。
一旦下げたものの、その足の引けまで買われ続けたことを示しています。
一見、上昇が強いシグナルに見えますが、高値圏でカラカサが現れると、トレンド転換して下落の可能性があるということで警戒されます。
逆に安値圏でカラカサが現れると、上昇シグナルとして買われることがあります。
同じカラカサでも、高値圏か安値圏かで意味合いが異なるので注意しましょう。
陰のカラカサ

小陰線の応用系であり、上ヒゲが長く下ヒゲがない、実体の小さな陰線です。
シグナルの意味合いとしては、陽のカラカサの逆となります。
トンボ

下ヒゲが長く上ヒゲのない十字線です。
足の始値から売られたものの、下落が続かず買いが押し戻したことを示しています。
高値圏で現れると、高値を超えることができなかったということで売りシグナルとされ、安値圏で現れると、下落を押し返したということで買いシグナルとされます。
ここまではローソク足一本が示すシグナルについて解説してきました。
一本一本のローソク足には、それぞれ意味があることがわかったでしょうか。
このローソク足を組み合わせて見ることで、予想の精度を上げることができます。
次に、ローソク足の組み合わせによるシグナルをご紹介していきます。
主要なものをまとめましたので、まずはこのシグナルを確認しておきましょう。
FXのローソク足を使った値動きの予想
ローソク足を複数組み合わせることで、値動きの予想に幅を持たせることができます。
ここでは5つのパターンをご紹介します。
ローソク足の組み合わせによる分析方法を身に着けて、更に予想の精度を上げましょう。
スラストアップ・スラストダウン
スラストアップ

直前のローソク足の高値を上回って終値が確定するとスラストアップとなります。
上昇トレンド中に現れることが多く、上昇の勢いが強いというシグナルとなります。
スラストダウン

直前のローソク足の安値を下回って終値が確定するとスラストダウンとなります。
下降トレンド中に現れることが多く、下落の勢いが強いというシグナルとなります。
インサイド・アウトサイド
インサイド

インサイドは、前のローソク足の中に次のローソク足が完全に収まっている状態です。
価格がもみ合い、方向感を失っていることを示しています。
値動きの幅は小さくなりますが、インサイドを脱した時は大きな値動きになることが多いです。
アウトサイド

アウトサイドは、直前のローソク足を次にローソク足が完全に包み込んでいる状態です。
価格は方向感なく大きく上下動します。
大きな動きにつられてトレードすると損をすることも多いので、はっきりと方向感が出るまで待った方が良い相場となります。
赤三兵・三羽烏
赤三兵
陽線が三本続き、安値、高値ともに切り上げていく組み合わせです。
上昇の勢いが強いときに現れる買いシグナルとなります。
ただし、高値圏で発生した時は買いのクライマックスとなりトレンド転換のサインとなることもあるので注意しましょう。
三羽烏
陰線が三本続き、高値、安値ともに切り下げていく組みあわせです。
下落の勢いが強いときに現れる売りシグナルとなります。
ただし、安値圏で発生した時は売りのクライマックスとなりトレンド転換のサインとなることもあるので注意しましょう。
ピンバー・スパイク
ピンバー
ヒゲが極端に長く、実体が非常に短い十字線の応用です。
高値圏や安値圏でピンバーが頻出した時はトレンドの転換を知らせるシグナルとなります。
スパイク
スパイクとは、瞬間的に飛び出た高値や安値を付けるローソク足のことです。
ヒゲが長く、実体は短くなります。


高値圏、安値圏でのピンバーはトレンド転換を知らせるシグナルです。
ビルドアップ
ビルドアップとは、もみ合いから価格がブレイクする前に現れるローソク足数本のまとまった値動きのことを言います。

チャート分析には多くのチャートパターンがありますが、このパターンのあと価格がどちらにブレイクするのかはトレーダーにとって最も知りたいことの一つです。
ビルドアップはブレイク直前の値動きがシグナルになるので、勝率の高いトレードと言われています。
ここでは、ローソク足の組み合わせから読み解ける主要なシグナルについて説明してきました。
余裕があれば、その他のシグナルについても調べてみましょう。
引き出しが多いほどチャンスは増えますし、逆に無駄なトレードを避けるフィルターにもなります。
最後に、ローソク足を観るときの注意点について詳しく解説していきます。
利益を得るためにはもちろん、損失を抑えて自己資金を守るためにも注意点については必ず把握しておきましょう。
FXでローソク足を観るときの注意点は?
ここまでローソク足を使ったチャート分析の方法について詳しく解説してきました。
ただ、チャート分析はローソク足が全てというわけではありません。
ローソク足だけ見ていれば勝てるということではないのです。
そこで、実際にトレードをするときの注意点についてまとめました。
しっかり確認して、リスクを回避するトレードを身につけましょう。
ローソク足の時間について
ローソク足には1分足~月足まであり、足一本が表す時間が変わります。
1分足ならローソク足一本一本は1分間の価格変動を表し、日足ならローソク足一本一本は一日の価格変動を表しています。
スキャルピングをする人は1~5分足、デイトレードをする人は5分~1時間足、スイングトレードをする人は4時間足から月足という具合に、使う時間足を変えましょう。
他の足もチェックする
ローソク足には、1分足~日足、週足、月足などがあり、一本のローソク足が示す時間が違います。
何分のローソク足を見ているのかは常に意識しましょう。
そして一つのローソク足だけ見るのではなく、5分足と1時間足、1時間足と日足といった具合に他の足も組み合わせて分析することでトレードの精度が上がります。
これをMTF(マルチタイムフレーム)分析といい、チャート分析の基本とされていますので、しっかり身につけておきましょう。
経済指標や要人の発言をチェック
重要な経済指標の発表や、各国の要人の発言の際は、価格が激しく上下動し、非常に予測が難しくなります。
また損切りを設定していても、大きな価格変動によって、設定とは大きく離れたところで約定することもあります。
思わぬ損失を避けるためにも、重要な経済指標の発表や要人の発言がある日程は必ず把握しておきましょう。
まとめ
このページでは、FX初心者がまず見るべきローソク足について解説してきました。
今回学んだことをおさらいしておきましょう。
- ローソク足は陽線と陰線に分けられる
- ローソク足の基本5種と値動きの予想に使える組み合わせ
- ローソク足を観るときの注意点
チャート分析の世界は非常に奥が深く、学べば学ぶほど新しい発見があります。
分析方法の引き出しを増やすことで、利益のチャンスが増え、無駄なトレードを減らすことができます。
自分のトレードスタイルに合ったローソク足分析の方法を見つけていきましょう。