FX(為替)取引の手法には、相場の流れについていく順張り手法と、転換点などある価格帯で反発すると予測してそれまでの相場の流れと逆方向に動くと読んでエントリーする逆張り手法があります。
これらの手法に対応するため、MT4などのチャートソフトには、成行注文(順張り)と指値注文(逆張り)、加えてロスカット価格を設定(ストップロス)する逆指値注文の3種類の注文機能が備わっています。
本記事では、これら基本的な注文方法に加え、中上級者向けのOCO注文、IFD注文、IFO注文まで、どのような場面で有効に使えるのか、その使い方について解説します。
それでは、早速みていきましょう!
目次
絶対に覚えておきたいFXの注文方法3選

これから紹介する3種類の注文方法は、トレードをするうえで必要不可欠な注文方法ですので、使いこなせるようにしましょう。
FXの注文方法①成行注文
この成行注文は、簡単に言うと「いくらでも良いのでとにかく早く買いたい!または売りたい」といった時に行う注文方法です。
例えば、一定の値幅を上下するレンジ相場から、上または下方向に突破しだしたときは、価格を指定して注文していたのでは、追いつかずエントリーできません。
ですがこの成行注文で注文すれば、洩れなくエントリーすることができます。
つまり、相場の動き(流れ)についていきたいときに確実に注文が成立してほしいときに、使う注文方法です。
FXの注文方法②指値注文
MT4では、買い指値注文を「Buy Limit」、売り指値注文を「Sell Limit」と呼ばれています。
この指値注文はその名のとおり、買いたい価格を現在値よりも安く又は売りたい価格を現在値よりも高く指定する注文方法です。
相場の動きに対して、ある価格で待ち伏せして、エントリーする逆張りエントリーをしたい場合などで使う注文方法です。
例えば、一定の値幅を上下するレンジ相場の下限で買い、上限で売り指値注文をするなど、レンジの値幅分の利益を狙う場合や相場の転換点などで使う注文方法です。
つまり、それまでの相場の動きの逆方向に動くことを予測して、ある価格で待ち伏せしてエントリーしたいときに使う注文方法です。
FXの注文方法③逆指値注文

MT4では、買い逆指値注文を「Buy Stop」・売り逆指値注文を「Sell Stop」と呼ばれています。
この逆指値注文は、次の二つの使い方があります。
①現在価格よりも高い価格を指定して買いたいとき(Buy Stop)又は安い価格を指定して売りたいとき(Sell Stop)に設定する注文方法です。
つまり、指定した価格で待ち伏せして、順張りでエントリーする際に使います。
例えば、レンジ相場で、レンジの上限を超えてきたら、そのまま上昇すると予測する場合にレンジの上限価格よりも、高値に指定してエントリーをするという使い方をします。
②買い又は売り注文をしてエントリーした後で、予測に反して逆方向(損失がでる方向)に、相場が動いたときに、損失をある価格よりも拡大させないために、使う注文方法です。
いわゆるロスカット(ストップロスともいう)を設定するための注文方法です。
トレードをする際は、必ずこの逆指値注文を使って、損失を制限することを心がけましょう。
次の3種類の注文方法は、応用編です。
使いこなせるようになると、トレードの幅が広がりますのでマスターしましょう!
慣れてきたらチャレンジしたいFXの注文方法3選(応用編)

成行注文、指値注文、逆指値注文に慣れてきたら、是非マスターしたいのが、OCO注文、IFD注文、IFO注文です。
注文方法の応用①OCO注文
MT4でOCO注文をする方法は、
- 1.ターミナルを開く。
- 既にエントリーしているポジション一覧でOCO注文したいポジションにマウスでマーカーを合わせ、右クリック。
- メニューが表示されたら、「注文変更又は取り消し」をクリック。
- OCO注文ウインドウにある「S/L」と「T/P」に価格を記入。
して設定します。
例えば、成行注文で買いエントリーをしたとします。
どこまで上昇するかを予測して決済(利食い)価格を指値(T/P)に予約し、もし予測に反して下落した場合の決済(ロスカット)価格を逆指値(S/L)で指定します。
T/Pに価格が到達すれば自動的に利食いし逆指値(S/L)はキャンセルされ、もしS/Lに価格が到達してしまうと自動的にロスカットし指値(T/P)はキャンセルされます。
このようにOCO注文は、相場を監視していなくても自動的に決済されますので、相場から目を離す際などには大変便利です。
ただ、超短期のスキャルピング・デイトレには、OCO注文はおすすめしません。
スイングトレードなど中長期トレードで活用しましょう。
注文方法の応用②IFD注文
IFD注文は、「IF DONE」の略称で、もし価格がいくらになったら新規の買い又は売りの注文をして、その後いくらになったら決済するという、新規注文と決済注文が同時に予約できる注文方法です。
ただIFD注文は、新規注文とT/P注文(利食い)か、新規注文とS/L注文(ロスカット)のどちらか一つを選んだ状態を表します。
つまり、新規注文とT/P注文(利食い)は設定したが、S/L注文(ロスカット)はしていない、又は新規注文とS/L注文はしたが、T/P注文はしていない状態がIFD注文です。
注文方法の応用③IFO注文
IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法で、新規注文とT/P注文とS/L注文の3つの注文を一度に行った状態がIFO注文です。
IFD注文とIFO注文の仕方は、
- MT4のチャート画面上にマーカーを重ねた状態で右クリック。
- メニューのなかから、「注文発注」>「新規発注」をクリック。
- オーダーの発注ウィンドウが開いたら、通貨ペアを選択。
- 発注数量を記入。
- S/L価格を記入し、T/P価格を記入。(IFD注文の場合はどちらかに記入)
- 決済種別をクリックし、成行注文又は指値注文を選択。
- 指値注文の場合は、価格を記入し「発注」ボタンをクリック。(成行の場合は、「成行買い」又は「成行売り」ボタンをクリック)
IFO注文は、ロスカット価格も設定し必ず決済されるので、大損することがない安全な注文方法です。
次に、FXの注文から決済までのプロセスを確認しましょう!
FXの注文方法を4つのステップ

FXの注文から決済までのプロセスはとてもシンプルです。
また、最近は海外FXブローカーが、国内銀行送金・クレジットカード・オンラインウォレット・ビットコインに対応しているところが多く、FX口座への入金スピードは即反映から1営業日以内に反映と早くなりました。
送金手数料も国内銀行送金手数料のみの負担で済むので、出金の際も負担が少なくとても便利です。
ステップ①口座に入金
ブローカーにもよりますが、国内銀行送金・クレジットカード・オンラインウォレットの何れかを選択して、FX口座への入金手続きを行います。
入金方法にもよりますが、まずはブローカーのサイトのマイページで入金手続きを行いましょう。
ステップ②注文を入れる
FX口座に入金が反映されたら、チャートをよく見て、相場が上昇傾向にあるのか、それとも下降傾向にあるのか、レンジなのかを確認し上昇又は下落するかの予測をたてます。
このとき、T/P(利食い)とS/L(ロスカット)ポイントも予測して決めます。
予測したら、上記で解説した注文方法のうち、いずれかを選択して新規注文を入れましょう。
ステップ③取引成立
注文が成立(約定という)したら、あとは状況を見守ります。
ステップ④決済
価格がT/Pに達する又はS/Lに達したら、迷わず決済しましょう!
仮に損失がでていても必ず決済するようにしてください。
初心者のうちは、損失を過剰に嫌い、なかなかロスカットができず、かえって損失を拡大させてしまう傾向にあるので、必ず損失を小さいうちに確定させましょう!
逆に決めたT/Pに達していても、まだ伸びると考え決済せず、結局利益が減少したところで決済するケースも少なくないので、最初に予測したとおりに実行する癖をつけましょう。
タイプ別のおすすめ注文方法

注文方法は、取引手法に応じて、向き不向きがあります。
ここでは、取引手法毎におすすめする注文方法を解説します。
スキャルパーは成行注文から成行決済
超短期取引であるスキャルピングを専門としたトレーダーのことをスキャルパーと呼びます。
スキャルピングは、エントリーして数秒から数分の間に、3pips前後から10pios前後の値が動くと、即決済して利益を確保する手法です。
そのため、
・レンジの上限を上抜けた時、
・又は下限を割り込んだ時、
・直近高値又は安値を抜けた時
にエントリーしますので、必ず約定(注文成立)する成行注文、成行決済が向いています。
計画的なトレードなら成行注文からOCO決済
相場のテクニカル分析の精度があがってくると、下値はどこで反発し上昇に転じるのか、高値はどこで反発し下落に転じるのかの予測的中率があがってきます。
そうなると、どの価格でT/P(利食い)するのかを計画的に設定することが可能になります。
このレベルになると、成行注文で確実にエントリーし、あとはOCO注文で決済するのがおすすめです。
より計画性を追求するならIFOで注文と決済
更にテクニカル分析力があがると、新規注文をどの価格ですれば良いかの予測的中率があがり、相場の目先のシナリオがみえてきます。
こうなると、新規注文でさえ指値注文にし、T/P注文まで予め設定できるようになります。
このレベルの人は、IFO注文で戦えるということです。
デイトレとスイングなら成行注文から逆指値で決済

デイトレとスイングトレードは、スキャルピングに比べ、より値幅をとるトレードです。
デイトレの場合、20pip~80pips前後。
スイングの場合は、100pips~300pipsの値幅を狙います。
これだけ値幅があると、当然利益も大きくのる訳ですが、長くもっている分、経済指標発表などのサプライズで急落したり、急騰したりして利益を大幅に失う可能性も高いのです。
そこでおすすめするのが、新規注文は確実に約定する成行注文で、決済は逆指値注文という組み合わせです。
例えば、買いエントリー後に、相場が予測どおりに上昇トレンドを続けたときに、逆指値注文の価格もどんどんあげていきます。
そして、急落した際には逆指値注文で決済となりますので、大きく利益を失うことを防ぐことが可能になります。
これを「トレーリングストップ」と呼びます。
MT4には、本記事でご紹介した注文方法の他に、トレーリングストップ機能も備わっていますが、現在価格の何pips下又は上に設定するというもので、適正な数値を見つけることが難しいです。
むしろ、チャートをみて上昇又は下落にあわせ着いていくイメージで、設定できる逆指値注文の方が分かり易いと思います。
デイトレやスイングトレードに挑戦される方は、ぜひ逆指値を相場にあわせて手動で設定することに挑戦してみてください。
本記事でご紹介した注文方法には、注意点もありますので把握しておきましょう!
FX初心者が注文する際の注意ポイントは?

初心者の方は、当然ですが、テクニカル分析の精度は高くはありません。
筆者も当初はテクニカル分析がよく分からずに、ギャンブルトレードにまい進してしていました。
相場のシナリオをたてられるようになるためには、テクニカル分析をマスターしながら、相場観を身につける必要があります。
つまり、経験を積むことが大切です。
相場観を獲得するまでは、次の点に注意しましょう!
まずは成行注文・指値注文・逆指値注文で慣れよう
本記事でご紹介した注文方法のうち、IFD・IFO注文はシナリオがたてられないと、利益をあげることはできません。
したがって、相場観が身につくまでは、まずは成行注文・指値注文・逆指値注文を繰り返して相場に慣れることが大切です。
繰り返しになりますが、ロスカットは決めたとおりに実行しましょう!
唯一、OCO注文はエントリー後の決済に、T/Pと逆指値(トレーリングストップ)のどちらで決済されるかにチャレンジすることで、徐々に相場観がついてくるので、おすすめです。
損して後悔しないためにも注文数を間違えないようにしよう
筆者が初心者のころは、注文数量をよく間違えてました。
レバレッジが高く有利な海外FXは、少ない資金で大きな数量(Lot)で取引ができる分、数量を一桁間違うと、あっという間に一発退場となってしまいますので、注意しましょう。
まとめ

FXの注文方法について解説してきましたが、成行注文、指値注文、逆指値注文は、エントリーから決済まで、まずはミスなくできるようにしましょう!
そして、テクニカル分析を行いながらトレードを重ねると必ず相場観が身につき、精度の高い計画がたてられるようになります。
是非、この記事を参考に実行してみてください。
