FX取引は投資初心者がまぐれで売買して勝てるような甘い世界ではありません。
利益を出している人がいれば、必ずその陰には損を出している人がいる「ゼロサムゲーム」だからです。
実は私自身も高利回りで人気の高い「トルコリラ」に手を出し、大きなやけどを負ったことがあります。
もしここで紹介する内容を少しでも勉強していれば、同じような失敗は防げたのにと今でも悔やんでいます。
この記事では私と同じようなFX初心者が身に着けておかなければいけない分析方法と、相場の考え方を紹介しています。
また、記事の最後にはFX初心者が陥りやすい注意点を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
テクニカル分析から相場予想をする4つの方法

ここではFX売買における代表的な分析手法の一つである「テクニカル分析」について簡単に解説していきます。
テクニカル分析は、後ほど紹介するファンダメンタルズ分析と対をなすFX取引の代表的な分析手法の一つです。
FX取引の初心者の人は、まずテクニカル分析でいくつか指標を見ながら取引していくことをおすすめします。
テクニカル分析の方法①インジケーターから予想する
インジケーターとは、FXの取引画面に表示されているチャート(ローソク足)や移動平均線などを表示させるサポートツールのことです。
インジケーターには主に「トレンド系」と「オシレーター系」に分かれており、「トレンド系」はトレンド相場や流れを見るため、「オシレーター系」は売られすぎや買われすぎなどの判断に使う各指標のことです。
基本的に相場を判断するときは、トレンド系とオシレーター系の2種類の指標を使って相場を見ることです。
FX初心者の人は、まずトレンド系の指標とオシレーター系の指標を1種類ずつ表示させ、為替相場の読み方に慣れていくといいでしょう。
テクニカル分析の方法②オシレーター系インジケーターから予測する
ここでは「オシレーター系」について紹介させていただきます。
オシレーター系インジケーターとは、簡単に言えばレンジやトレンド転換など、逆張りに特化したインジケーターです。
オシレーター系の代表格は、MACDやRSI、ストキャスティクスなどの指標が有名ですね。
これらのデータを見ながら売買することによって、買われすぎや売られすぎの判断の目安になります。
テクニカル分析の方法③チャートパターンから予想する
テクニカル分析手法として「チャートパターン」から予想する方法もあります。チャートパターンを見ることによって、トレンドの転換点や方向性を見つけることに役立ちます。
代表的なチャートパターンはたくさんありますが、例えば「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」なんて言葉はFX初心者でも聞いたことがあるでしょう。
チャートパターンをいくつか覚えておくと、チャートの値動きの予測などに役立ちます。ただし、チャートパターンも参考程度なので、実際の相場はパターン通りに動かないことも多いので注意が必要です。
テクニカル分析の方法④ローソク足からパターンを予測する
ローソク足とは、その形がローソクに似ていることから名づけられました。ローソク足はシンプルでありながら、設定した時間内の始値・高値・安値・終値を視覚的に表します。また、ローソク足一本からはさまざまなことを読み取ることができます。
例えば、胴体(実体)部分が他のローソク足よりも多くなる「大陽線」は買いの勢いが続くことが予想され、下げ相場で大陽線が見られたときはトレンドの転換点とも読み取れます。
したがって、さまざまなチャートパターンを把握しておくことで、FX取引の勝率を高めることに役立ちますので、是非とも覚えておきましょう。
ファンダメンタルズで予想するFX相場分析法

FXの分析手法は先ほど紹介した「テクニカル分析」と、経済状況や経済指標、金融政策などをもとに分析する「ファンダメンタルズ分析」に分けられます。
FX取引を行う上で、取引通貨国の経済状況や金融政策は非常に重要な判断材料となります。
ただ、FXのファンダメンタルズ分析で見るべき情報量が膨大なため、初心者にとって最初はとっつきにくいと思われるかもしれません。
次の項目からは、ファンダメンタルズ分析の中でも代表的な指標などについて解説していきます。
政策金利やGDPなどの経済指標から予測
ファンダメンタルズ分析で使われる経済指標は、世界各国の政府や中央銀行が発表している経済データです。
主要な経済指標の発表前後では、為替相場も大きく動くことがありますので、最初のころは指標発表時間だけでも押さえておくといいでしょう。
各経済指標は取引しているFX業者から経済指標カレンダーなどで確認できます。
また、FX会社によっては重要な経済指標がランク分けされているので、初心者の人でも判断しやすいです。
経済指標と並んで、各国の金融政策も重要な要素です。
政策金利の動向は、特に高金利通貨で狙うスワップポイントを意識して取引をしている投資家にとっては非常に重要になるでしょう。
ただ、政策金利の動向でファンダメンタルズ分析を行うのは、経済指標などに比べ難易度が高いため注意が必要です。
ニュースの情報から予測する
ファンダメンタルズ分析の中でも、テレビやSNSなどに流れるニュースから為替相場を予想できることがあります。
ただ、ファンダメンタルズ分析の中で為替相場に影響を与える要素は限られており、主に重要な経済指標と要人の一部発言くらいと思っていていいでしょう。
それでも経済ニュースやSNSから得られる情報は、速報性が高いので、できるだけチェックしておいた方がいいです。
FX初心者が相場分析で避けるべき3つの注意点

これまでFX取引の基本分析手法であるテクニカル分析と、ファンダメンタルズ分析を簡単に紹介させていただきました。
しかし、FX取引は誰かが得をすれば、誰かが損をするゼロサムゲームです。
なんの予備知識もなく、相場の分析もしなければ負け続けてしまい、下手をしたら借金をしてしまう可能性だってあります。
そこでFX初心者が気を付けなければいけない注意点について、3つ紹介させていただきますので参考にしてください。
テクニカル分析を信用しすぎる
今までテクニカル分析で使われる指標などを解説してきましたが、この世にはすべての相場に適用できる指標は存在しません。
上記で紹介した分析手法は、あくまでも投資判断の目安になるものであって、指標だけで説明ができない相場もたびたび起こり得ます。
したがって、テクニカル分析の結果だけを信用して売買するのは大きなリスクを伴います。
特にFX初心者の方は、さまざまな指標やルールに基づいて判断しがちなので、大きく損をすることもありますので注意が必要です。
テクニカル分析の手法は参考程度に考えておいた方がいいでしょう。
だましに合ったら損切りを入れる
「だまし」とは、トレードサインの逆の値動きをすることです。
「ここだ!」と思ってトレードしても逆の値動きをされ負けてしまった経験のある人も多いでしょう。
「だまし」に遭う人は、初心者よりも、FX分析の共通認識を多く共有する中級者以上に多いと言えます。
仮に「だまし」に遭ってしまった場合は、ほとんどのケースでセオリーとは真逆の動きをしますので、いさぎよく損切りしましょう。
経済指標やニュースと真逆の値動き
為替相場は常に実体経済よりも先行して動くことが多く、予想される経済指標をすでに織り込んだ値動きをすることが多いです。
ただ、為替相場ではファンダメンタルズ分析でよく使われる経済指標の予想とは真逆の値動きをすることが見受けられます。
先ほど紹介した「だまし」と同様にファンダメンタルズ分析の指標もセオリー通りに働かず、投資家たちの心理戦の材料に使われることだって多いのが実情です。
知っておくべき相場の変動要因3選

経済指標や、経済ニュースなどでも為替相場は大きく動くことがあります。
ここからは、FX初心者の人が知っておくべき相場の変動要因について、次から見ていきましょう。
影響力のある人物による予定外のサプライズ発言
影響力のある経済界の人物による発言でも、為替相場は大きく動くことがあります。
ファンダメンタルズ分析の中でも、要人発言は経済指標と並んで速報性の高いデータとして値動きを見せやすいです。
ただ、要人の発言内容を分析することも必要になるので、ファンダメンタルズ分析の中でも難易度が高いと言えます。
想定外の出来事・ニュース
為替が大きく動く要因として、想定外の出来事が起きた時が考えられます。
例えば戦争や内戦、紛争などが代表的な例です。
紛争や内戦が長引き、国の経済状況に大きな影響が出ると予想されると、為替相場は大きく変動します。
また、各国政府は自国通貨の安定を目指しますので、極端に通貨高や通貨安になるのを嫌います。
そのため、政府が通貨の安定を図るため「為替介入」を行うことがあります。
このように政府が介入することによっても為替は大きく変動します。
予想を上回る経済指標の結果がでた場合
予想を上回る経済指標が出た場合は、基本的に通貨が買われる(アメリカであればドル高になる)傾向があります。
強い経済指標は景気の強さが表れているため、世界中から強い通貨を買うためにお金が集まるためです。
ただ、国内総生産(GDP)は四半期に一度の発表なので速報性に乏しく、すでに相場に織り込まれている可能性が高いため、為替相場に与える影響範囲は限定的と言えます。
まとめ

この記事では、FX初心者がまず知っておかなければいけない最低限の知識について紹介しました。
この記事をまとめると、
- FXは誰かが得をすれば誰かが損をする「ゼロサムゲーム」
- FX取引の分析手法は「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」に分けられる
- FX初心者は、はじめにテクニカル分析の手法に慣れるのがおすすめ
- 「テクニカル分析」の指標は、トレンド系とオシレーター系を合わせて使う
- すべての相場に適用できる万能な指標は存在しない
- 「ここだ!」と思っても、逆の値動きをする「だまし」が起きるときがある
- 誰かが言った一言で為替相場が大きく動くことがある
ということですね。
これからFX取引を始める初心者の方でも、この記事で紹介したことを実践して、少しでも勝率を上げていきましょう!
